初めてすた丼を食べたのは、大学進学を機に上京したときでした。ボリュームにも驚きましたが、ただただ、その美味しさに感動したんです。それをきっかけにすた丼屋でアルバイトをはじめたくらいですから、私にとっては本当に大きな出会いでした。当時考えていたのは教員の道に進むこと。でも、本当にやりたいことなのだろうか? 進路を見つめ直す中で教員は選択肢から外れ、代わりに浮かび上がってきたのがアントワークスでした。すた丼をもっと多くの人に知ってもらいたい。その想いを今度は社員という立場で実現していきたい。他の会社には目もくれず面接を受け、入社することが決まりました。
若手のうちから自分のアイデアをどんどん実行できる。それがアントワークスで働く魅力のひとつです。私の場合は入社して2ヶ月後、副店長になった頃から意識的に提案するようになりました。「こんな販売施策をやってみるのはどうでしょうか?」すると店長は、待ってましたと言わんばかりに「いいね!やってみようか」と笑顔で背中を押してくれます。なんでもやってみようというチャレンジ精神で仕事に打ち込み、入社1年目の冬には店長へ。アルバイト経験があったとはいえ、社内でも最速のスピード昇格でした。
店長として着任した店舗は売上が伸び悩んでいました。販売施策や食材管理の見直しなど、状況を改善するために取り組んだことは多岐にわたります。そんな中、最も力を入れたのがスタッフの教育です。例えば、お客様とのアイコンタクト。忙しいと目線が下がりがちなので、「目線上げていきましょう!」と繰り返し呼びかけました。目を合わせることから、心のこもった接客が生まれるからです。もちろんそれだけではなく、調理に関する技術も丁寧に伝えていきました。こうした取り組みにより、一人ひとりのパフォーマンスが大きく向上。少ない人数でもお店が回るようになり、人件費の抑制につながりました。エリアマネージャーからは、模範的な店舗運営をしていると大いに評価されました。
やりがいを感じるのはやはり、お客様から「ありがとう」というお声をいただいたときです。以前ご家族で来店されたお客様に、お子様用の取り皿やスプーンをご用意したことがありました。あえて言うほどでもありませんが、私なりの気配りでした。帰り際に「美味しかったよ、ごちそうさま」とお声をかけていただき、アンケート用紙を通じてこんなメッセージまでいただいたんです。「店長さんの対応が良かったです。ありがとうございました」。それを読んだときはすごく嬉しかった。心を込めた接客は、ちゃんと届いているんです。